柳宗理の器
2021.11.21PRODUCT

柳宗理の器

柳宗理の初期の代表作『松村硬質陶器N型シリーズ』は、戦後のグッドデザイン運動(商品の品質向上を目指し、合わせて近代的な生活を実現しようという運動)の隆盛にのって広く流通しました。

『松村硬質陶器シリーズ』が発表された当時の国内市場は模様付きの陶器が一般的で、「無地の陶器は半製品」と言われなかなか理解がされない中、銀座の喫茶店で使用されるようになると、少しずつ広まりをみせていったといわれています。
そして、戦争により日本のものづくりが大きな打撃を受け、大量生産の製品に対し日本でも徐々にデザイン振興の機運が高まる中、松村硬質硬質陶器の『N型シリーズ』が発表され、様々な雑誌や新聞で取り上げられ、人気を博すこととなっていきました。

その後、1982年に同社が企業吸収合併による廃業のため廃番となっていましたが、1990年に当時の西武百貨店のプライベートブランド・JC「Japan Creative」より、透明感のある美しさと強度を備えたボーンチャイナに素材を変えて復刻、NIKKOはその製造を担うことになりました。さらに販売がJCから佐藤商事と柳ショップに変わった後も、戦後日本を代表するテーブルウェアとして今に続くまで愛されています。

NIKKOは2021年より柳デザインとの間で新たに製造販売契約を結び、この「柳宗理ボーンチャイナシリーズ」の販売を開始いたしました。
2024年、そのN型シリーズのアーカイブから新たに、デザインのディテールにこだわり抜いて、プラター 32cm・サラダボール 13cm・23cmの3アイテムを追加で復刻いたしました。

柳宗理のものづくり

柳宗理のものづくりは、使い手の視点に立ち、手で模型をつくり、試作品をつくり、実際に使い調整を繰り返す、 といった試しながら考えるデザイン手法でつくられています。
そうしたプロセスを経て完成された柳宗理のプロダクトは、使う人の手になじみやすく、長く使えるものになっています。
写真は、1956年に柳宗理がデザインしたバタフライスツール(天童木工)。

柳宗理 バタフライスツール

柳宗理 ボーンチャイナシリーズ商品一覧

柳宗理ボーンチャイナシリーズ商品一覧
左上より) クリーマーシュガーポットアメリカンコーヒーカップ&ソーサーコーヒーカップ&ソーサーティーカップ&ソーサーデミタスカップ&ソーサー23cmプレート19cmプレート17cmプレート19cmボール15cmボール

シリーズの象徴的なアイテムのポット

ティーセット

長く愛されてきたアメリカンコーヒーカップ

長く愛されてきたアメリカンコーヒーカップ

使いやすい15cmボール

使いやすいボール

新たに追加された3アイテム

2024年、オリジナルデザインをもとに3アイテムを復刻しシリーズに追加いたしました。
硬質陶器からボーンチャイナに素材を変えることで製造方法にも変更が生じるため、オリジナルには無かった高台をボールにつけることになりました。
横から見た時の外観や持った時の手触り、カーブのラインの滑らかさなどオリジナルに近づけるプロセスで何度も試作を重ね完成させました。

柳宗理ボーンチャイナシリーズのサラダボールとプラター
左より) 32cmプラター23cmサラダボール13cmサラダボール

常設展示

柳宗理記念デザイン研究所ロゴ
柳宗理記念デザイン研究所

作品や空間を通して柳宗理のデザインにおける考え・姿勢を知る 常設展示室です。

〒920-0902 石川県金沢市尾張町2丁目12番1号
開所時間:9:30~17:00
休館日:毎週月曜(但し月曜が祝日のときは開所)
入所料:無料

柳宗理記念デザイン研究所(外部サイト)

Designer

柳宗理

柳宗理氏(1915-2011)は日本を代表する工業デザイナーです。 MoMA(ニューヨーク近代美術館)の永久所蔵に認定されている「バタフライスツール」などの家具類をはじめ、キッチンウェア、テーブルウエア、東京オリンピック聖火トーチホルダー、関越自動車道関越トンネル抗口、歩道橋など広範囲なデザインを手掛け、その作品は日本だけでなく世界中の人々に愛用されています。2002年にはその功績が評価され、文化功労者に顕彰されました。生前、約50年に渡り金沢美術工芸大学客員教授も務めていました。

Product

ニッコーの店舗で展示販売中

NIKKO SHOWROOM / STORE
(LOST AND FOUND TOKYO STORE)

住所

〒151-0063 東京都渋谷区富ケ谷1丁目15-12

営業時間

11:00~19:00

定休日

火曜日

TEL/FAX

03-5454-8925

アクセス

東京メトロ千代田線 代々木公園駅から徒歩3分
小田急小田原線 代々木八幡駅から徒歩5分